2024.05.04 07:59第34話 シフォン「な、何者なんだ! この膨大な魔力は⁉」 何か機械のような物を見ながらオドパイエ……帝国の密偵の少女は焦っていた。「魔力センサーが計測を出来ていない量の魔力が放出されている、いや、今の一瞬で充満した……どういうことだ!」「聖域ではないからですわよ」「は?」「聖域とは、聖域の魔物と...
2024.04.13 09:54第33話 ご都合主義「森の中……私別にこういう場所と相性良くないんだけれどな」 彼女は一人山の中を進んでいた。もちろん地上で暮らすものにとっては大したことがない程度の山の高さだ。しかし、海に本来は暮らす種族である彼女には子供の時の様な元気さはなく辛いものである。「ふう、少し休憩」「はいどうぞ、真水じ...
2024.03.18 13:34第32話 戦争の序章 辛いときは歌を歌おう。そんな風に親に言われていた。だから私は何時も歌を歌っていた。故郷を思い出す歌を。 ある日からそれは違う意味を持つようになった。「歌上手いんだね」「奇麗な歌じゃ、もっとも儂の方が上手いがな」 そんな風に言ってくれる家族が出来た。故郷の家族とは違うもう一つの家...
2024.03.16 05:53第31話 勇者とは「本当にパパが迷惑かけて申し訳ありませんでした!」 黄色の肌に金髪の少女は、そう言って謝るとさっきまで戦っていた議長に対してキッと睨みつけた後に話し出す。「改めましてモミー・グレマリン。円卓会議の最高議長をしているパパの娘です」「パパの娘という違和感のある言葉の使い方はやめなさい...
2024.03.16 05:53第30話 議長との戦闘「あー嫌やな。なんでそんなに当たらんのや」「あなたの動きは完全に『集団戦闘を想定されていない』動きです。出来るだけ一人で戦う事をお勧めいたします」「何や。本当に見るだけで分かるみたいやな」 ベリメとの戦闘をしながら、そんな風に議長は話をしていた。「次にナエシエさん、そして番号の長...
2024.03.16 05:52第29話 円卓会議「魔装?」 そのよく分からない単語に全員が首をかしげる中、アレインだけは「だろうな」と言っているために何か納得が言っている様である。「何の話だ」「この服の話だ」 そこで、アレインは今着ている和服の襟をつかむ。「それがどうかしたのか」「誰か、この服を引っ張ってみてくれ。そうすればど...
2024.03.16 05:52第28話 魔族とは「どうする、正直これは厄介だぞ」 そう切り出したのはテノサだった。「その根拠は」「彼女の魔族としての種族の扱いだ」「扱い?」「ああ」 そう言って、彼女は先ずは頬から見える鱗などを取り上げて話始める。「まずだが、彼女は一体何の魔族なのか、そもそも魔族なのか分かるか?」「どういうこと...
2024.03.16 05:51第27話 アレイン襲来 その日は久しぶりに仕事が一通り『片付いていない』日だったために、朝から海良は忙しそうにしていた。「チェーンソーに必要な素材が沢山必要です。予算の請求をいたします」「子供たちの遊び場も開拓が始まりそうなことで子供たちの不安と不満があるようです。分かっていたとはいえ早く対策をお願い...
2024.03.16 05:51第26話 帝国の夜襲「ぐわあ!」「うちは確かに見積もりが甘かった、認識も甘かったし情報も売った。その分はきっちり清算させてもらうで」 ある暗殺者は静かにそう言った。森の中で虐殺の限りを尽くすそれは、まさしく『解読中』の一族に生まれた少女そのものだったという。「何故だ! 何故倒せない!」「村から! 帰...
2024.03.16 05:50第25話 パムラの父親の告白「……何の話だね」 男性は、パムラの父親はそう言って俺を見て来た。そして、俺はその男性を見据えながらこう切り出した。「まず、どうやら俺の与り知らない所で勝手に話を纏めてくれたようですが、ミルミが協力をしてくれるようになったみたいです」「馬鹿な!」 そこで、その男性は驚いたような表...
2024.03.16 05:50第24話 工事の状況2「おい! 何をやっている!」 俺が慌てて駆けつけると、そこでは男たちに囲まれながら争っている二人がいた。「きゃはは! すごーい! あと少しで当たるね!」「守護番殿を愚弄した罪は償わせます」「いいぞ! もっとやれ!」「おら! 淫魔ごときに逃げられてばかりだぞ!」 囲う男たちは村に来...
2024.03.16 05:49第23話 工事の状況1「あんなことがあって仕事ができるか!」「そんなこと言って生活はどうするのさ!」 男性労働者達と女性の村民、その意見が真っ向から対立したのである。「だからって聞いていないぞ! ここで働くだけでこんな死にかけるようなことになるなんて!」「いつもモンスターに襲われないか、俺達は大変だな...