第25話 9期生最終試験1
「それじゃあ、実技試験の説明をはじめたいと思う」
五人の生徒が試験場のとある平原に集まり聞いている。全員が全員自分達で稼いだお金を使って新調した装備に身を包んで意気込みもばっちりである。
「さて、この平原でやってもらう試験内容だが、手っ取り早く言えば戦闘だ」
「戦闘、誰とですか」
『またみんなと戦うってことですか』
「いや、今回はマルクスとアクモシスにも通達していた通り全員強制参加の戦いだ。要は戦闘を苦手とする隊員もいる部隊で動く戦闘だと思ってもらえればいい。そして、敵の強さは不明だからこそより実戦に近くしている」
「装備も魔法も自由なんですよね」
「ああ、全力を出して挑んでくれ」
「それで勝利条件だが、これ知っているか」
そう言って、紫色の水晶のような石を見せる。
「これは?」
「転移魔法を起動してある石だ。名付けて転移魔法石」
「そのままですね」
「君たちにやってもらうのは、この石に飛び込んで部隊全員で生還してもらうって事だ。問題は無いかな」
「場所は?」
「大体このスタート地点からあっちの方向五キロメートルの場所に同じような石がある。そこが目標地点だ」
そう言って、俺は指をさす。
「目視できる人はこの中にはいないと思うから、後は移動して見つけてもらう形になると思うけれど大丈夫かな」
「「「「「 はい 」」」」」
「よし、じゃあ早速敵役の人たちに移動してもらうよう号令をする。この信号弾を撃ったらその時点からスタートだ。良いね」
それと同時に、俺達は先生が指さした方向に向かって顔を向ける。
「スタート!」
号令が発されて、最終試験が始まった。
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