第18話 悪魔契約2
「おーい、消灯時間近いぞ」
「待ってください、もう少しなんです」
『ちょっと、字間違えている』
「これ明日に持ち越した方が良いですね」
「急いで帰りましょう。お風呂だって入らないといけません」
俺は図書室でレポートの課題を行っている生徒たちに声をかける。そろそろ専属の見回りをしてくれる人を雇ってもいい気がするのだが、学園から降りている資金ではどうしても固定費用は削れる分を削って、他に回したい。結果として、夜の見回りは俺がやっている。
「セレアハートはいないのか?」
「はい、やっぱり今日も話しかけられませんでした」
「先生、あいつ何があったんですか」
「焦っているんだと思う。皆がどんどん強くなるから」
「でも、僕と違って戦う事が出来ますし、強いですよね」
アクモシスがそう言うがそこにマルクスがかぶせる。
「それを言ったらアクモシスなんかは最近道具を使った戦い方を学び始めたじゃないか。自分もようやく商業の授業を少しなら受けられるようになったけれど、まだ戦術の授業は受けているところだよ」
『みんなどんどん強くなるよね』
「そのようですわね」
そこで、図書室の扉が開いて誰かが入って来る。
「セレアか、珍しいな。先生?」
そこで俺は後ろの四人とセレアの間に入り守るように魔力を貯め始める。
「誰だ」
「先生? どうしたんですか?」
「セレアハートの体を返せ。乗っ取るな」
「ふふふ、先生ならすぐ気が付くと思っていました。さあ、久しぶりに楽しみましょう」
その言葉と同時に、図書室の本がふわりと舞い上がり始めた。
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