2024.07.12 09:51第10話 運営の前提2「不完全な生き物?」 それに魔女が首をかしげる。「ああ、カードでいきなり厳密に測り切れるほど人間の能力というのは簡略化出来ない。俺はそう考えている」 そう。魔法の使い勝手さや器用さ、経験値に基づく応用の幅何かによって同じ魔法を使う人でもカード的には同じ属性種の同じ数字の人になると...
2024.07.12 08:57第9話 運営の前提1「さて、これから運営をしていくわけだが。まず何をするべきか。そこから決めよう」「何をするか……」 既にアナーやガベテナには働いてもらっているため、魔王の専属の教師となっている俺は魔王に授業をしていた。今の魔王は前回のように逃亡するそぶりを見せずに話を聞いている。「まずだが、この授...
2024.07.09 06:23第8話 オファルオリゴル「魔王様!」「五月蠅いから止めてくれないかな。もう王冠を持った魔王は外に出ているのに、いまだに気が付いていないようだし」 魔女が呆れながらそう聞き返すと、俺は出来るだけ大きな声で叫んだ。「おい!」「む! この声!」 そこで、そいつも気が付いたようである。そして、俺の方を巨体ながら...
2024.04.29 10:41第7話 魔女「ここか」「うん、多分そうだね」「ジャシュカは怖がらないんだな」「だって、怖がる必要が無いでしょ」「何か頼もしい方ですな」「ただの無知じゃない事を祈るばかりだけれどね」 そう言って、俺達はとある場所にある塔に来ていた。場所としては正直魔王城への道からは外れているのだが、それでも行...
2024.04.26 14:40第6話 ジャシュカ「えっと、あの」 それが何者なのか、俺には分からなかった。ただ一つ言えることは、その相手はこの猛吹雪を引き起こしている元凶であるという事。 そして、恐らく敵対的な意思が無いように思える事。 だからこそ俺は、一世一代の大博打に出ることにした。「初めまして」「あ、はい。初めまして」「...
2024.04.06 14:12第5話 魔界の日常 魔王が正式に王冠を手に入れて魔王となった日から何日か経った。俺達はあれからダンジョンをさらに下り、そして「魔界」に来ていた。目標は……魔王城。「とりあえず。どこかでまた食料を補充しよう」「水も無くなってきましたな。川でもあればよいのですが」「はあ、まさかあんな変な場所に出るなん...
2024.03.30 23:27第4話 大乱世界「何時になったら始まるのだ!」 魔王はそう言って、泣き言を言いながら部屋からの脱走を図る。「逃げられる訳ないでしょう。今のあんたと俺の実力差は明確。それに、魔王軍復興のために今お前が頑張らないでも自然に魔王軍は復興する状態か」「グッ」「嫌なら今からでも俺は魔王軍を降りても良いんだ...
2024.03.27 15:58幕間 世界の運営 ルール【世界の運営 前書き】 このゲームは七百枚のカードを扱うゲームです。この内、二十八枚の手札をもって一つの運営組織を造り出すのが目標です。手札一枚を一人の人間として扱う訳です。 これにより以下の格言の意味を理解することが重要です。・先ずは五人の上位者が九人の下位者を従えて、二組で競...
2024.03.27 13:42第3話 世界の運営 前編 ああ、私は何を見ているのか。確かに私は地階族なんて滅びるべき。そう思っていた、そのはずなのに目の前でその光景を見せられたら。自分の持ってきた武器で死ぬのを見た瞬間に、これは違う。そう思った。「何しているのさ! 君は協力してくれるんじゃなかったの⁉」「急いで救護を!」 アナーとガ...
2024.03.24 13:57第2話 愚者 魔王軍に勧誘される。正直俺はどうしてそんなことになっているのか困っていた。「待ってほしい。俺は確かに正直な事を言えば今の魔王軍の状況なら喉から手が出るほど強いかもしれない」「何だ、喉から手が出るのか」「どんな大道芸だ?」「魔王様、慣用句を知らないのを晒さないでください。馬鹿だと...
2024.03.18 13:28第1話 賢者『許さんぞ! 貴様! 貴様のような奴はこの国にはいらん! 即刻出て行け!』『お前のせいでパーティーは滅茶苦茶だ。もうパーティーを止めてくれ』「はぁ! はぁ……夢か」 また同じ夢を見た。王国を放逐された日の国王の声。そしてパーティーのリーダーでもあった勇者の声。今でも俺を蝕む記憶の...