第29話 9期生の卒業後
あれから、季節は廻り全員が卒業をした。
アルバンとセレアハートはチームを組んで冒険者となった。今ではあちこちで高難易度のクエストを沢山攻略しまわっている腕利きの冒険者になったようである。先日はドラゴンの牙を送ってきて、ぜひ何かに使ってくれと言われたが一体どうしろと言うのか。
ナインはその魔法の能力を認められて、校長先生に引き抜かれて専属のメイドをしている。一部では喋られないことを理由に笑われているようだが、むしろテレパスが使えることを知った人からは是非とも自分達の領地に来てくれないかと打診が来ているようである。
マルクスは戦闘試験での成績が散々だったが、ギリギリ赤点にはならなかったために合格。その後、紅葉の率いる商家に弟子入りをして紅葉の秘書をしている。なんでも、物事を知ったからこそ自分はまだまだ半人前でこのままでは家に顔向けできないかららしい。
アクモシスはゴドウィン先生に連れられて高位人間族の住む島に移住した。そこで機剣の整備や古代叡智の産物の解析などをする整備士になったようである。そしてここから意味不明なのだが、この間五人のお嫁さん全員との間に子供が出来たと連絡があった。
とにかく、全員が各々の進む道を歩んでいる。
そして、新しい季節はやってきて次の代の生徒が入って来た。
俺は教室の扉を開ける。
「おい、これは一体どういうことだ!」
早速去年度と同じように入った瞬間からこの声。
「どういう事かな?」
俺は努めて平静にそう尋ねるのだった。
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